A sound

水琴窟の音は自分の生活の中にはなかなか無い種類の音で、一度耳をかたむけるといつまででも聞いていたくなる。妻の実家近くの公園の片隅に何故かひとつ水琴窟があり、帰省したとき、時々息子を連れて音を聞きに行ったりしている。今までに何度かその公園に行ってはいるが、僕たち以外にそこで水琴窟の音を聞いている人の姿を見かけたことは一度もない。多分あの界隈では僕と息子の二人が一番のヘビーリスナーだろう。

前に作庭記録を担当した、安諸定男氏によるVISVIM GENERAL STOREの庭にも水琴窟があり、そこで初めてあの音色を聞いたときは、なんだか新しい風景に包まれたような感覚になった。街の雑踏に混じってそっと響く音が、なんとも心地よい都会の空間を作り出していた。